ネタバレ! 小説と映画の感想‐青葉台旭

小説と映画のネタバレ感想が書いてあります。メインのブログはこちら http://aobadai-akira.hatenablog.com/

映画「The Black String」を見た。

映画「The Black String」を見た。

Amazon Video にて。

Amazonのページ

脚本 Richard Handley、Brian Hanson、Andy Warrener
監督 Brian Hanson
出演 Frankie Muniz 他

ネタバレ有り

この記事にはネタバレが含まれます。

この記事にはネタバレが含まれます。

この記事にはネタバレが含まれます。

この記事にはネタバレが含まれます。

この記事にはネタバレが含まれます。

5回言ったからセーフ。

ひとこと感想

主人公のホラー体験は現実なのか、それとも麻薬中毒患者の幻覚(妄想)なのか……という、まあ有りがちといえばありがちなストーリー。
そこに悪魔崇拝カルト教団が絡んでくるのもテンプレ。

陳腐といえば陳腐なストーリーで、見るからに低予算のインディーズ映画(自主制作?)ではあるが、主演俳優の演技が良いので、最後まで白けずに観られた。

主演のフランキー・ムニッズは、かつてテレビ・ドラマ『マルコム in the Middle』などに出演し、天才子役として有名だったらしい。
どうりで、演技が上手いわけだ。

まあ、観ても観なくても良い……観ても損ではない映画だと思う。

映画『地球最後の男』を観た。

映画『地球最後の男』を観た。

Amazon Video にて。

Amazonのページ

脚本 フリオ・M・メノッティ、ウバルド・ラゴナ、ウィリアム・レイセスター、リチャード・マシスン
監督 ウバルド・ラゴーナ、シドニーサルコウ
出演 ヴィンセント・プライス

前々から観たかった『地球最後の男』をようやく観る事が出来た。
Amazon に感謝。

ネタバレ注意

この記事には『地球最後の男』のネタバレが含まれます。

ネタバレ防止の余談

リチャード・マシスンの原作は、小学校の図書室にあったものを読んだのが最初だった。
子供用に抄訳された物だったろうと思う。
本棚にズラリと並んだSFシリーズの中の一冊だった。
ひょっとしたら、タイトルは違っていたかもしれない。
同じシリーズに『食人植物トリフィド』とか何とかいうタイトルの本があって、それとこの『地球最後の男』のストーリーは、幼なかった私の心に強い印象を残した。

その後、大人になってから、『地球最後の男』も『トリフィドの日(時代)』も大人用の文庫版で改めて読んだ。

今にして思えば、この2作品は後に数多く作られる『終末もの』『アフター・アポカリプスもの』の元祖だった。
例えば『28日後』のプロットは、ほぼ、まんま『トリフィドの日』と同じと言っても良い。

私の『終末』好きは小学生の頃からだったのだなぁと、ちょっと感慨に耽(ふけ)ってしまう。

リチャード・マシスンの小説と言えば『地獄の家』も忘れられない。
『幽霊屋敷として有名な古い家に、科学者と霊媒師が泊まり込んで心霊実験をする』という基本プロットはシャーリー・ジャクスンの『たたり』と同じだ。
おそらくタイトルの『Hell House』は、『たたり』の原題である『The Haunting of Hill House』の『Hill House』に掛けたダジャレだろう。

私は、ジャクスンの『たたり』よりもマシスンの『地獄の家』の方が好みだ。

ちなみに、寺沢武一のマンガ『コブラ』の1エピソードに、マシスンの『地獄の家』(あるいは、その映画版である『ヘルハウス』)の影響をモロに受けたと思われる『オチ』がある。

その映画化作品『ヘルハウス』はDVDを持っている。
そろそろ再視聴してみようかな。
小説版『地獄の家』、再版してくれないかなぁ。できればKindle版で。

ひとこと感想

さて本作品だが、まず気になったのは主演ヴィンセント・プライスのモッサリとした演技・動作だ。
緊迫感が無い。

全般的に、この映画における役者の演技は、ちょっと頂けないと思った。
あとで声だけ再録したであろうシーンも音ズレしてる。

典型的な1950年代のB級映画か……と思って制作年を調べてみたら、1964年制作だった。
割と新しめだなぁ。
そうすると、このわずか7年後に『オメガマン』としてリメイクされた訳か。
わずか7年後に再映画化する意味なんてあったのかな? ハリウッドのリメイク病ってやつか……

ストーリーに関しては、後半やや駆け足の感があるものの、ほぼ原作通りと言えるだろう。
脚本に原作者マシスンの名が有るのだから当然か。 先にも述べた通り、私は原作小説が好きなので、その点ではこの映画に満足した。

邦題の『地球最後の男』も決して悪くはないのだが……
やはり原題の『I Am Legend』に込められた意味が欠落してしまっているのは惜しいなぁ。
この『I Am Legend』というタイトルは、物語の『オチ』に深く関わっているから、邦訳するに当たってタイトルを変えてしまうとオチの切れ味が半減してしまう。
もし私が翻訳者だったら……そうさな……『伝説の男、俺』とでもするか。

ビジュアルに関しては、人の居なくなった町を彷徨(さまよ)うシーンの荒涼とした終末感が気持ちよかった。
スーパーマーケットだったり、公園の展望台のような建物だったり、随所に1960年代アメリカのモダン建築様式が見られて、そのちょっとレトロであると同時に未来的でもある建物と、人類が死に絶えた終末世界との相性が抜群だ。何とも言えない美しさがある。

特に、クライマックスの教会が美しい。
我々が教会と言われてイメージするような、尖塔があるヨーロッパ中世風の建物ではなく、コンクリート打ちっぱなしで幾何学的な構造美を全面に押し出した、これぞモダン建築といった建物だ。
この『無機質なモダン建築の教会が佇(たたず)む終末世界』というイメージが、とても心地よい。

追記

Wikipedia によると、本作品はイタリア・アメリカの合作で、撮影はイタリアで行われたらしい。

あの荒涼とした都市の風景は、当時のイタリアの風景だったのか……
言われてみれば、オープニングの団地のシーンはアメリカっぽくないな。
とすると、UFOみたいな公園の建築物も、コンクリート打ち放しの教会もイタリアの物だったのか。

映画『禁断の惑星』を観た。

映画『禁断の惑星』を観た。

DVDにて。

Amazonのページ

脚本 シリル・ヒューム
監督 フレッド・マクラウド・ウィルコック
出演 レスリー・ニールセン 他

ひとこと感想です。

ネタバレ注意

この記事には『禁断の惑星』および『伝説巨人イデオン』のネタバレが含まれます。

ネタバレ防止の余談

私は、この映画のDVDを所有している。

もちろん、これが初見ではない。

三度目か四度目の再視聴だと思う。

レスリー・ニールセンは後年『裸の銃を持つ男』で主演を務める。

あらためて、そういう目でこの『禁断の惑星』を観ると、確かに『裸の銃〜』に出ていたレスリー・ニールセンの面影がある。(あるいは『禁断の惑星』に出演した若き日の面影が、『裸の銃〜』の頃の老いたニールセンにもある、というべきか)

一度そういう風に思ってしまうと、『裸の銃〜』のニールセン(おじいちゃんバージョン)の顔芸が脳裏にチラついて、なかなか『禁断の惑星』のシリアス・ドラマに集中できず、困った。

以上、ネタバレ防止の雑談でした。

以下、ネタバレ。

ひとこと感想……うかつだった。

今回あらためて観て、これがアニメ『伝説巨人イデオン』の元ネタだった事に気づいた。

  • 地球から遥か遠く離れた惑星で発見された、古代文明人の遺跡。
  • 彼らは優れた科学文明を持ちながら、ある時、忽然と姿を消してしまった。
  • 遺跡から発掘されたエネルギー増幅装置を人間の頭脳に使用すると知能が飛躍的に向上する。
  • しかしそれは同時に人間の潜在意識をも増幅し、エネルギーに変換してしまう。
  • 何千人、何万人もの古代人たちがその装置を使い、彼らの集合無意識が合一して生まれた巨大なエネルギーが古代人自身の制御を離れて暴走したため、古代文明は滅亡した。
  • その、増幅され合一した何万人もの古代人の集合的無意識エネルギーを『イド』と呼ぶ。

まあ、ほぼ『イデオン』の基本設定やね。

そんな事を思いながら日本版Wikipediaの『禁断の惑星』の項目をつらつら読んでいると、下の方に『伝説巨人イデオン』へのリンクがあった。

試しに『禁断の惑星 イデオン』とgoogle 検索に掛けてみた結果、どうやら『禁断の惑星』が『イデオン』の元ネタである事は、その界隈では今さら指摘するのも恥ずかしいくらい初歩の初歩、基本中の基本、常識中の常識であるらしい。

うかつだった……

ま、人生、何歳になっても勉強やね。