映画「モデル連続殺人!」を観た
映画「モデル連続殺人!」を観た
U-NEXT にて。
脚本 マルチェロ・フォンダート、マリオ・バーヴァ、ジュゼッペ・バリラ
監督 マリオ・バーヴァ
出演 エヴァ・バルトーク 他
ネタバレ注意
この記事にはネタバレが含まれます。
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ひとこと感想
つい先ほど、私はイタリアン・ジャッロ映画と日本の江戸川乱歩などのエログロ怪奇探偵小説との共通点に気づいてしまった。
両者とも、変態性をどこまで突き詰めるかで勝負している。
変態性欲を突き詰めると「相手の肉体をどこまで『物』として扱えるか?」の勝負になっていく……本作品を観たり乱歩を読んだりすると、そんな気持ちになる。
オープニングから、もうシビれてしまった。
極彩色の照明を当てられて、暗闇の中に浮かび上がるマネキン。
そのマネキンに紛れ込むようにしてポーズを取る男女。
いかにも『美しい女たちが次々に殺されるゲテモノ芝居の始まり、始まり』とでも言いたげな、素晴らしく悪趣味なオープニングだ。
明暗のコントラストが強く、全てが極彩色の作り物の世界。
ヨーロッパ上流階級に住む紳士淑女たちの、ドロドロと腐敗した人間関係。
マネキンのように美しく、マネキンのように作り物めいた女たち。
その女たちが、次々に毒牙にかかって殺されていく。
う〜ん、ほんとに乱歩みたい。うっとりしちゃう。
追記(2021.10.7)
とはいえジャッロの本分は、刺激の強いゲテモノ趣味な娯楽を、大衆に提供することだ。
ストーリーはご都合主義で、俳優の演技も大味だ。
B級ジャンク・グルメであることを予(あらかじ)め分かった上で、鑑賞するかどうか決めて欲しい。
映画「デッド・ドント・ダイ」を観た
映画「デッド・ドント・ダイ」を観た
UNEXT にて。
脚本 ジム・ジャームッシュ
監督 ジム・ジャームッシュ
出演 ビル・マーレイ 他
ネタバレ注意
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ひとこと感想
ジャンルとしてはゾンビ・コメディ。
まるで日常アニメを観ているようなマッタリとしたテンポが心地良い。
セレーナ・ゴメスを見て毎回思うこと。
「なんだ、アメリカの男共も、本当はロリ顔アイドルが好きなんだな」
そのセレーナ・ゴメスも当年とって29歳か。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」の時も、本作品でも、「永遠の童顔アイドル」というハリウッド芸能界での立ち位置を彼女自身が茶化すようなメタ的な演技をしていた。
「マネー・ショート」の時は、もろ本人役だったか。
メタ的ギャグといえば、今作品では、「それアドリブか?」「台本に書いてありました」「ジム(ジャームッシュ監督)は、俺には何も言ってくれなかった」などのメタ・ギャグを、ビル・マーレイとアダム・ドライバーが何度もカマしていたが、あれは評価の別れる所だろうな。
個人的には、物語全体の牧歌的な雰囲気と合っていないように思えて、そこは少し冷めた。
メタ的なギャグには「観客に冷や水を浴びせてハッと我に返らせる」という機能があると思う。
そういう、メタ・ギャグが本来もっている鋭い攻撃性が、この映画の穏やかな雰囲気には合っていないように感じられた。
まあ、作り手の意図としては「その違和感こそが狙い」なのかも知れないが。
全体としては、温泉に浸かっているようなマッタリ感を楽しめる良い映画だった。
ロバート・マッキー「ストーリー」を読んだ
著 ロバート・マッキー
訳 越前敏弥
ひとこと感想
この手の脚本術・創作術の指南書は、一種の自己啓発本として読むのが正しい。
読み終わると「よし、俺も創作するぞ!」という気持ちが高揚する。
その気持ちの高ぶりこそが、この手の本を読んで得られる最大の利益だろう。
もちろん、個々のトピックを読めば「なるほど!」と思うこともあるし、「これはイマイチ賛成できないな」と思うこともある。
当然だ。人それぞれ固有のスタイルがあるから。
煮詰まった時、自分の頭の中に別の風を吹かすという使い方は有効だろう。
まずは一読し、それから本棚に置いて、何かの参考を自分自身が欲していると感じた時に開く。
こういう使い方が良いと思う。
不思議な気候
なんだか不思議な気候だ。
秋らしさもあるのだが、湿度も気温もそれなりに高い。
もちろん、とっくに夏の暑さは過ぎている。
じゃあ秋なのかと問われると、答えられない。
湿っぽくもあり、しかし、僅かだが空気の中に爽やかさもある。
通りを歩いていると、少し暑くもあり、また涼しくもある。
夏でもなく、本格的な秋でもない。
季節のエアポケットに入り込んでしまったような感じだ。
こういう季節感は、昔は無かったような気がする。
これも温暖化の影響か。
以下、10月4日撮影。
映画「白い肌に狂う鞭」を観た
映画「白い肌に狂う鞭」を観た
U-NEXT にて。
脚本 ロベール・ユーゴー、ジュリアン・ベリー、ルチアーノ・マルティーノ
監督 マリオ・バーヴァ(ジョン・M・オールド名義)
出演 クリストファー・リー 他
ネタバレ注意
この記事には以下のネタバレが含まれます。
- 本作「白い肌に狂う鞭」
- ヒッチコック「サイコ」
ひとこと感想
ここで一句。
伯爵も
前髪おろせば
ただのオッサン
ドラキュラと言い、ウィッカーマンと言い、本作品と言い、クリストファー・リーって伯爵ばっかりやらされていたんだな。
それにつけても、前髪を下ろしたクリストファー・リーのオーラの無さよ。
むかし、テレビのコントなどで長嶋茂雄のモノマネをする芸人は、必ず顔の下半分に薄っすらと青色の化粧をほどこして、ヒゲの濃さ即(すなわ)ち男性ホルモンの多さを表現したものだが、本作品のクリストファー・リーも顔の下半分が青々としていて、何だかエロい。
ドラキュラ伯爵のカリスマ・オーラは全く無いが、変態貴族のエロエロ・オーラが、むんむん。
話のオチは「伯爵の長男(クリストファー・リー)の亡霊は、ヒロインの妄想だった。全ては、長男と次男の間で揺れ動いたあげく精神を病んで二重人格者になってしまったヒロインの単独犯行だった」という、「サイコ」タイプのオチのバリエーションで、今となっては「有りがち」の部類に入るだろう。
じゃあ、まったく詰まらないB級映画だったかというと、そうでもない。
なかなかに味わいのある良い映画だと思った。
どの辺が良かったかと言うと、
- SM趣味
- 変態長男と、健全次男のあいだで揺れ動く昼メロドラマ的な女心
- 歪んだ愛情と罪の意識により破滅する(最初から破滅していた)ヒロインの悲哀
- ゴシック・ホラーと昼メロドラマの相性の良さ
これらの合せ技で、なんとも言えない魅力を湛(たた)えた映画に仕上がっていた。
……今ふと思いついたのだが、イタリアン・ジャッロとは、要するに日本で言えば江戸川乱歩とか横溝正史のエロ・グロ通俗探偵小説の事なんだな。
追記(2021.10.7)
とはいえジャッロの本分は、刺激の強いゲテモノ趣味な娯楽を、大衆に提供することだ。
ストーリーはご都合主義で、俳優の演技も大味だ。
B級ジャンク・グルメであることを予(あらかじ)め分かった上で、鑑賞するかどうか決めて欲しい。