ネタバレ! 小説と映画の感想‐青葉台旭

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映画「妖女ゴーゴン」を観た

映画「妖女ゴーゴン」を観た

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脚本 ジョン・ギリング
監督 テレンス・フィッシャー
出演 ピーター・カッシング 他

ネタバレ注意

この記事にはネタバレが含まれます。

映画の時代感について(ネタバレ防止の雑談)

以前にも何度か記事に書いているので、くどい感じもあるが、再度『50年前の物語は時代劇か?』というテーマを語らせて欲しい。

現代(2022年)の我々にとって、50年前の映画、例えば『ダーティハリー』(1971年)は時代劇だろうか?

……もちろん、そんな筈(はず)がない。

しかし、日本初の時代小説『大菩薩峠』(1913年連載開始)の舞台は、安政5年(1858年)。
つまり、連載当時の読者にとって『大菩薩峠』は僅(わず)か55年前の物語だった。

ハマー・プロ制作、クリストファー・リー主演の「吸血鬼ドラキュラ」は1958年公開。
その原作であるブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』の出版が1897年。
ハマー・プロ版「吸血鬼ドラキュラ」公開時の観客にとって、これは僅(わず)か61年前の物語だった訳だ。

今から61年前というと、1961年。
その年の世界的大ヒット映画は『ウエストサイド物語』
う〜ん、この辺りになって来ると、さすがに『時代劇感』というか、ある種の『レトロ感』が薄っすらと滲み出て来るか。

1958年公開当時に『吸血鬼ドラキュラ』を見るというのは、言ってみれば、2022年に生きる我々がスピルバーグのリメイク版『ウエストサイド・ストーリー』を見るような時代感・レトロ感だったという事か。

あなたにとって、スピルバーグの『ウエストサイド・ストーリー』は、時代劇だろうか? それとも現代劇?

ベラ・ルゴシ主演のユニバーサル映画「魔人ドラキュラ」の公開が1931年。
物語の舞台となった時代は34年前。
当時(1931年)の観客にとって、ドラキュラの物語は同時代の物語だったのだろうか? それとも『時代劇』として認識されていたのだろうか?

吸血鬼ノスフェラトゥ』の公開年は1922年。
この映画には、おそらく同時代のロンドン(あるいはドイツの何処かの都市)を撮影したと思われる街の全景が挿入されている。
ノスフェラトゥ』は、ブラム・ストーカーの小説を無断でパクッて映画化したものだ。
その時代差は25年。
ノスフェラトゥ』の観客は、ストーカーの小説すなわち25年前の物語を、現代劇として認識していたのだろう。

以上、ネタバレ防止の雑談でした。

以下、ネタバレ。

ひとこと感想

お話としては、あまり斬新でもない。

女がゴーゴンに変化するメカニズムも語られず。

なぜ村人たちがゴーゴン事件を隠そうとしているのか、その理由も語られず。

ゴーゴンの特殊メイクも、笑っちゃうレベル。
ゴーゴンの特徴である蛇の髪の毛は、いま見ると、むしろ可愛いとさえ思える。

実質的に、登場人物の中に女は2人しか居ないから「ゴーゴンの正体は誰か」という犯人探しの話ではない。
精神病院に入院している狂女と、美しく聡明な女の二人が出て来る。
狂女=ゴーゴンでは余りにも捻(ひね)りがないから、美しく聡明な女の方が本命だと誰でも分かる。

ヒロイン(実は妖女ゴーゴン)に恋をした二人の男がゴーゴンと共に死ぬラストは、ちょっとノワールな味わいがあって良かった。

ピーター・カッシングクリストファー・リーの共演。
カッシングとリーの役どころが「吸血鬼ドラキュラ」の時と逆転しているのが、ちょっと面白い。

ハマー・プロ

ハマー・プロは、いわゆる『B級ホラー専門プロダクション』に分類されるのだろう。

私は時々、ハマー・プロお得意の19世紀コスチューム劇ホラーを観たくなる。

ハマー映画の背景セットや家具調度品・大道具小道具は、今の基準で見れば決してリアルではないが、かと言ってチープでもない。
このリアル過ぎずチープ過ぎないセットが、リアルと非リアルの狭間(はざま)のような映像空間を作り出していて好きだ。
この、リアルでもチープでもない不思議なバランスのセット・大道具・小道具が醸し出すファンタジー感は、同じ頃(1950年代後半〜60年代前半)に作られた日本のカラー映画にも色濃く漂っていると思うのだが、どうだろうか?

VTUBER の名前

俺、たった今すげぇ面白い Vチューバーの名前考えついちゃった。

教えてほしい?

うーん、どうしよっかな?

やっぱ教えない。

ヒント『幼女〇ー〇〇』